重厚感のある外観デザインのために考えたこと

「重厚感のある外観」

っていう言葉、よく聞きますよね。

積水ハウスのイズステージみたいな外観に惚れていた私には非常にぐっと来た言葉です。

重厚感のある外観デザイン
重厚感のある外観デザイン(積水ハウス イズステージ)

我が家を建てるにあたり、重厚感のある外観デザインについてかなり考えました。
闇雲に暗い色を使えばいいわけじゃないし、タイルを貼りまくっても重苦しくなる。

そこでまずは、重厚感のあるデザインを構成する必須の要素と思われる

  • 厚さ
  • 重さ

に分解して考えてみました。

厚さを感じさせるデザイン

外観で厚さといったら壁と屋根です。

色で重厚感を表現する場合、せいぜい暗い色を選ぶくらいでしょうか。
最近黒い色の家が増えてきているのはそういう意図もあるのかな?

私は白系の色で作りたかったので、別の観点で重厚感を追求してみました。

外壁の堀(ほり)の深さ

堀の深い壁は、その断面や影がたくさん見えることで、壁自体の厚さを感じさせてくれます。

これがダイワハウスの堀が浅めのDSウォール(浅いと言ってもローコスト住宅に使われる厚さ14mm外壁に比べたら深めです)

DCウォールサンプル

そしてこちらが堀が深い、DXウォール

DXウォールサンプル

堀が深い分、厚さを感じさせますよね。

実際も厚いんですけど、堀の深さがあるのと無いのでは見た目で感じることができる厚さが違います。

我が家が選んだのはダイワハウスのDXウォール グライフェルス柄 フロスティホワイトです。

ダイワハウスDXウォール-グライフェルス柄-フロスティホワイト
ダイワハウスDXウォール-グライフェルス柄-フロスティホワイト

単調な凸凹だけじゃなく、きれいな平面もあるので、広い範囲に使ってもしつこくならなそうだと思いました。

外壁とサッシの納まり

家を見る時に私が最初に気になってしまうのがサッシの納まりです。

サッシが外壁よりも外に出てしまっているのに違和感を感じてしまいます。

サッシが外壁よりも外に出ているケース
サッシが外壁よりも外に出ているケース

窓のような薄いものが窓よりも厚い外壁より出っ張ってる。
凄く感覚的なものですが、デザイナーという職業的な癖なのか、デザインに不安定さを感じます。

やはり、しっかり面を合わせて納まっているのが安心できます。

サッシが外壁の面があっているケース
サッシが外壁の面があっているケース

なぜ、このような違いが出るのか、設計士さんに聞いてみたのですが、原因は大きく分けて3つ。

  • サッシの納め方の違い
  • 外壁の厚さが十分あるかどうか
  • 工場生産しているハウスメーカーかどうか

どんなメーカーでも納め方次第で面を合わせることは出来るのかもしれませんが、一般的じゃないやり方をお願いするのは職人さんの経験差が出るので精度に不安を感じます。

積水ハウスや、ダイワハウス、一条工務店など、大手ハウスメーカーは自社で窓も外壁も作っているので、当然のように面が合います。

我が家をお願いしているダイワハウスは、窓自体はリクシルの工場で作っているそうです。
ダイワハウスの鉄骨や外壁に合わせた、ぴったりサイズのものがリクシルの技術で出来上がってくるわけです。

重厚感という意味で

一番リッチなのはインセットウィンドウです。

ダイワハウスのインセットウィンドウ
ダイワハウスのインセットウィンドウ

堀の深い外壁に加え、壁の側面が見えるので、より厚さを感じさせることが出来ます。
ただし、価格もかなり上がります。
ダイワハウスの場合、価格も通常の窓の1.3~1.5倍くらいしてしまいます。

見えない窓までやるのはコスパが悪いと思ったので、我が家は通りに面している窓だけインセットにしました。

見比べてみると、壁の厚さの印象がだいぶ変わりますね。

壁より出てる 壁と合っている 壁より奥まっている
サッシが外壁よりも外に出ているケース サッシが外壁の面があっているケース ダイワハウスのインセットウィンドウ

重さを感じさせるデザイン

私が目指した大きなテーマとしては

内装の都合で外観をデコボコさせない。

ってことです。

バルコニーだけ出っ張ってたり、玄関だけ出ているデザインは、コストパフォーマンスを追い求めた建売住宅にありがちですが、重厚感と言う面では物足りないデザインです。

例えばこんな感じ。

建売に多い形
建売に多い外観

建坪は変えずに、形だけを少し変えてみると

重厚感がある形
重厚感がある形

ただくっついてるだけのイメージだったバルコニーが、壁と一直線につながることでしっかりした印象を与えてくれます。

バルコニー側に出した分、玄関とバルコニー側の壁を内側に引っ込めて建坪の調整をしています。

バルコニーまで屋根を伸ばしているので、コスト的には少し上がりますが、影が深くなることで重厚感は格段に上がります。

更にバルコニーを格子や透明にしないで、外壁と同じものを貼ると更に重さを感じるイメージになります。(この場合はちょっとバルコニーの感覚的な重さに対して下の支えがないので不安になるデザインですが・・・)

重厚感がある形2
重厚感がある形2

この3段階で少しずつコストは上がると思いますが、注文住宅でデザインを重視したいならお金のかけどころではある気がします。

重厚感★ 重厚感★★ 重厚感★★★
建売に多い形 重厚感がある形 重厚感がある形2

建物部分は安易に色で重厚感を出すのではなく、素材や形を重視することが大事だと思います。

植裁で建物の基礎を隠して接地性を高める

ここまで来たらあとは外構です。

住宅展示場の建物を見ていると、必ずと言っていいほど基礎を植裁で隠しています。
どうしても基礎はデザインが行き届かない部分なので、見えているとマイナス要素にしかならないんでしょうね。

でも、基礎を隠す植裁はそれほどお金をかけずに出来ることです。

こんな感じに。

重厚感のある外観 植裁編1

これだけで建物が地面と自然に溶け込んでいる感じになります。

まとめ

重厚感のある外観のために重視したのは以上の

  • 厚さを感じるデザイン
  • 重さを感じるデザイン
  • 接地性の高いデザイン

です。

我が家はダイワハウスですが、積水ハウスのダインコンクリートをはじめとした大手ハウスメーカーの外壁は豪華なものが多いので、暗い色を使わなくても重厚感が出るのが良かったです。